香川と徳島の県境に位置する四国霊場66番札所・雲辺寺(徳島県三好市、淵川敬心住職)は、今年で開創1230年を迎えたことから、秘仏とされる本尊の千手観音菩薩(ぼさつ)坐像と脇物の毘沙門天立像(共に国の重要文化財)を宝物館で開帳することを決めた。日程は27日と11月3、10日の3日間。


開創1230年の本尊開帳に合わせて作製したポスター


 千手観音菩薩坐像は平安時代の仏師・経尋(きょうじん)の制作で高さ103・3センチの木像。眼病治癒のために作られたとされ、像内に残されていた銘文には「目がよくなりますように」という内容の文言が記されている。

 毘沙門天立像(高さ154・5センチ)は平安時代の仏師・慶尊(けいそん)の作。2体は昨年、東京国立博物館の特別展に貸し出していた。雲辺寺での公開は2014年の「四国八十八カ所霊場開創1200年」記念事業以来となる。

 開帳を記念して作製したポスターには、千手観音の後ろ姿の写真上に「私の多くの手はすべての人を救うため。私のこと、正面から見てみたくない?」などと書かれ、話題を集めている。雲辺寺は、秘仏であり管理の面からも今後の公開は難しいとしており、淵川祐胤副住職は「多くの皆さまに拝観していただきたいと考えていたが、開創1230年の記念が大きな弾みとなった。目の前で直接手を合わせて家内安全などを祈願していただく機会がつくれた」と話している。

 開帳時間は9:00から15:00まで。拝観無料。問い合わせは雲辺寺、電話0883-74-0066。

(四国新聞・2019/10/24掲載)

四国霊場66番札所・雲辺寺


所在地 徳島県三好市池田町白地ノロウチ763
開帳時間 9:00~15:00
TEL 0883-74-0066


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