邦坊のデザイン一堂に 包装紙や原画200点紹介 善通寺・来年2月まで
琴平町出身で画家、漫画家などとして活躍した和田邦坊(1899~1992年)のデザインを紹介する企画展「君不老如花(きみおいずはなのごとし)」が灸まん美術館(善通寺市大麻町)で開かれている。邦坊の生誕120周年を記念した企画。県民になじみ深い土産物の包装紙に加え、自宅にあった初公開の原画など約200点が並び、邦坊のマルチな仕事ぶりを伝えている。来年2月2日まで。
邦坊は東京日日新聞(現毎日新聞)の新聞漫画家としてデビューし、小説家としても脚光を浴びた。東京で活躍していたが、1938(昭和13)年に戦況悪化などから琴平町に帰郷、65(昭和40)年に讃岐民芸館の初代館長に就任した。画家や商業デザイナーとしても活動し、灸まんなどの包装デザインを手掛けた。
本展は第1期展(6~9月)から大半を展示替えし、約80点が初公開。東京のそば店「つづらそバ」ののれんは、店名にカタカナを交ぜたのが特徴で、邦坊らしい豪快な線が目を引く。東京のそば店では店舗のデザイン、メニューまでを邦坊がトータルプロデュースしており、県外でも幅広く活躍していたことがうかがえる。
ネズミと鏡餅が描かれたユーモラスな調度品「四季絵」の原画は、白色の絵の具で修正した跡が見られ、図柄を試行錯誤していた姿が浮かぶ。このほか麻布に描いた抽象画もあり、晩年まで挑戦を続けた作家の姿勢が表れている。
10日14:00から学芸員によるギャラリートーク。入場料は一般500円ほか。問い合わせは灸まん美術館、電話0877-75-3000。
(四国新聞・2019/11/07掲載)
「君不老如花(きみおいずはなのごとし)」企画展
所在地 | 香川県善通寺市大麻町338 |
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開館時間 | 9:00~17:00(企画展の入館・カフェのラストオーダーは16:30まで) |
休館日 | 毎週水曜日 ※和田邦坊画業館は、展示替え期間中を閉室いたします |
入館料 | 一般500円/65歳以上・障がい者手帳等をお持ちの方300円/小中高大生・無料 |
TEL | 0877-75-3000 |