事件、事故現場に駆け付けなければならない報道カメラマン。休日でも消防車などがサイレンを鳴らして通り過ぎると、胸騒ぎ。後をついて行くこともしばしば。これは職務上の性(さが)。



 もう一つ、いつ行けば何がどのように撮れるかというポイントを持っておくことも大事。これを怠っていると、編集デスクからの多種多様な注文に応えられない。だから、どこにいてもキョロキョロと辺りを見渡してしまう。これも性。

 先日、本社近くの紫雲山に登った。ハイキングコースを15分ほど進み、山の斜面を分け入っていく。踏ん張りの利かない斜面を滑り下り、道なき道を進んでいくこと、さらに10分。視界が開けた岩場からは、栗林公園や住宅街が眼下に広がる。そうそうこの景色。

 時間があると、時々、確認に行く。道が整備されたり、建造物ができていたりして、狙い通りのアングルにならないケースもあるからだ。あっ、これも性。

(四国新聞・2019/11/10掲載)

紫雲山


所在地 香川県高松市宮脇町


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