「国府跡」「引田城跡」国史跡に 大野原古墳群に岩倉塚も 文化審答申
国の文化審議会(佐藤信会長)は15日、坂出市の「讃岐国府跡」の一部と東かがわ市の「引田城跡」を国の史跡に指定するよう萩生田光一文部科学相に答申した。認められれば、国府の史跡指定は四国で初めてとなる。併せて、2015年に国史跡に指定されている観音寺市の「大野原古墳群」に岩倉塚古墳を追加指定することも答申した。
讃岐国府跡は奈良時代から平安時代にかけての行政の中枢機関で、開法寺東方地区の約1万平方メートルが指定の対象となる。県埋蔵文化財センターが11年から行った調査で、国府の中心施設が同所にあったことを裏付ける遺構が多数見つかった。年代も国府成立以前の7世紀中ごろから廃絶後の13世紀にわたり、国府域の変遷や古代国家による地方支配の実態を知る上で極めて重要と評価された。
引田城跡は、戦国時代の終わりごろに当たる1587(天正15)年、豊臣秀吉の家臣である生駒親正が讃岐に入った際に最初に本拠とした城で、高松城、丸亀城とともに生駒氏による領国支配の拠点となった。県内最古の本格的な近世城郭で、高さ約6メートルの石垣などが築城当時のまま現存する。豊臣系大名の経済・軍事政策や領国支配体制を知る上で重要と評価された。
岩倉塚古墳は、既に国史跡指定されている椀貸塚(わんかしづか)古墳に近接。墳丘の形状や規模、築造時期などが分かり、椀貸塚古墳と密接な関係を持つ従属墳であることが定まったため追加される。
指定されれば、県内の国史跡は25件となる。
(四国新聞・2019/11/16掲載)
讃岐国府跡
所在地 | 香川県坂出市府中町5059 |
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引田城跡
所在地 | 香川県東かがわ市引田 |
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