四国霊場80番国分寺(高松市)、81番白峯寺(坂出市)、82番根香寺(高松市)の3札所が、初の連携企画「霊峰五色台三霊場参り」をスタートさせた。近接する3カ寺の立地を生かし、国の史跡の遍路道などをたどりながら「歩き遍路」の醍醐味(だいごみ)を1日で体感する取り組み。専用の納経帳やガイドマップを各寺で配り、“遍路入門者”の来訪を呼び掛けている。


歩き遍路の入門者向けに国分寺、白峯寺、根香寺を巡るルートなどを掲載したマップ


 四国経済連合会などの調査で四国霊場の巡礼者の減少傾向が指摘される中、本格的な歩き遍路を短時間で体験できるコースを提案し、巡礼者の掘り起こしを図るのが目的。併せて五色台と一帯の歴史的建造物や史跡などの価値を広く発信しようと、3カ寺が昨春から準備を進めていた。

 3カ寺はそれぞれ古刹(こさつ)の魅力と豊かな自然の景観に恵まれ、国の史跡で今年「歴史の道百選」に選ばれた讃岐遍路道「根香寺道」などで結ばれているのが特徴。JR予讃線を利用すれば、五色台の麓から徒歩で、その日のうちに各寺を巡ることができる。

 企画「霊峰五色台三霊場参り」ではこうした利点を活用。各寺では11月から、参拝者に専用の納経帳(100円)と五色台の名所旧跡を記したガイドマップを授与。3カ寺全てを参拝して納経を行うと、記念の缶バッジを贈呈している。


「霊峰五色台三霊場参り」で参拝者に授与する専用の納経帳


 徒歩でのモデルコースは、9:00ごろにJR国分駅を出発して80番国分寺、81番白峯寺、82番根香寺を巡り、JR鬼無駅に17:00ごろ到着する所要8時間の行程。ガイドマップには札所での参拝の作法や道中の心構えをはじめ、崇徳上皇にまつわる青海神社(坂出市)や高家神社(坂出市)、国宝の本殿を有する神谷神社(坂出市)、さらに周辺の宿泊施設やうどん店などを掲載している。

 企画に携わった白峯寺の三好実誠副住職は「四国遍路は全長約1200キロに及ぶ壮大な行程だが、まずは五色台三霊場で歩き遍路を体験し、四国1周の旅の入り口にしてもらえれば」と話している。問い合わせは、国分寺、電話087-874-0033/白峯寺、電話0877-47-0305/根香寺、電話087-881-3329へ。


霊峰五色台三霊場参り


(四国新聞・2019/11/23掲載)


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