香川を訪れるインバウンド(訪日外国人客)が増加する中、外国人患者への多言語対応が可能な県内医療機関のリストを県が初めてまとめた。医療機関数は98施設で、中四国では最多だった。県は診療科や対応可能な言語などを一覧にしてウェブサイトで紹介し、慣れない旅行先で体調不良となった外国人客をサポートする。

 観光庁が昨年度に国内の主要国際空港で訪日外国人客3千人に行った調査によると、5%が旅行中に病気やけがになっていた。ただ、救急対応する医療機関で「言葉の壁」がネックとなるケースがあり、旅行中に急に体調を崩した外国人客に対応する医療態勢が求められている。

 リストは、外国人患者の受け入れ拠点病院の選定を進める厚生労働省の依頼に基づき作成。県内の全医療機関1368施設に8月に聞き取りし、対応可能施設をまとめた。中四国9県では2位の徳島(34施設)の約3倍だった。

 県内三つの医療圏別にみると、高松以東の東部が48、坂出以西の西部は47、小豆は3。このうち二次救急以上の入院可能な医療機関は12あった。98施設全てが英語対応が可能で、多言語の電話通訳サービスの利用施設が2、通訳機や音声翻訳アプリの活用が26施設あった。残る70施設では外国語を話せる医師やスタッフが対応する。

 リストは県ホームページ内の「香川県 医療情報総合サイト」に掲載。国も今後、英語、中国語、韓国語の3カ国語に翻訳し、厚労省や観光庁のウェブサイトで公開予定。

(四国新聞・2019/12/13掲載)


香川県 医療情報総合サイト


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