高松市のサンポートホール高松で2月8、9日に「高松国際ピアノコンクール連携コンサート」(市文化芸術財団など主催、四国新聞社共催)が開かれる。2018年の第4回覇者の古海行子(やすこ)さん、3位の伏木唯さんのほか、鉄百合奈さん=高松市出身=らセミファイナリストが集結。国内外で活躍する弦楽器奏者も招き、世界へ羽ばたく若手によるハイレベルな演奏を届ける。


左から伏木唯さん、務川慧悟さん、古海行子さん


 コンクール会場であるサンポートホール高松の開館15周年記念事業の一環。コンクール組織委の協力で実施し、副審査員長を務める青柳晋(すすむ)さんがプロデュースした。浜松国際コンクール5位で昨年のロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクール2位の務川慧悟(けいご)さんのほか、NHK交響楽団のビオラ奏者、地元の演奏家も招き、計16人が出演する。

 コンサートは2日間で4公演を実施。8日の第1公演は伏木さんらピアニストと弦楽器奏者が共演するほか、地元演奏家も参加しサンサーンス「動物の謝肉祭」などを予定。第2公演は鉄さんら3人がベートーベンらの曲で技巧を披露する。9日は両公演とも古海さんが登場し、リストやシューベルトの名曲を演奏。第3公演には弦楽器奏者も出演、第4公演では鉄さん、務川さんも含め5人のピアニストが圧巻のソロを繰り広げる。

 8日は14:00から第1小ホール、17:00から第2小ホール(入場料はいずれも500円)。9日は14:00から大ホール(一般2500円ほか)、17:00から第1小ホール(500円)。問い合わせはサンポートホール高松、電話087-825-5010。

 他の出演者は次の通り。

 青柳晋、坂本彩、樋口一朗(以上ピアノ)、黒川侑、小川恭子(以上バイオリン)、中村洋乃理(ビオラ)、伊東裕(チェロ)、藤田哲志(フルート)、西内智洋(クラリネット)、池永健二(シロフォン)、重安佑美(チェレスタ)、佐柄佳奈(コントラバス)

「成長した姿見せたい」 鉄百合奈さん 音色の個性楽しんで

 「高松国際ピアノコンクール 連携コンサート」に県関係者として唯一出場する高松市出身の鉄百合奈さん=川崎市在住=に、今回のコンサートの魅力や意気込みを聞いた。


「地元の人に成長を伝えられる演奏をしたい」と話す鉄百合奈さん=東京・銀座


 ―“凱旋(がいせん)コンサート”。現在の思いを。

 地元での演奏会には大きな意味がある。子どものころの演奏を聴いてくれた人たちも大勢来てくれるので、たくさんのフィードバックをもらえる貴重な機会。演奏は対話するような気持ちで臨み、成長した姿を見てもらいたい。

 ―新進気鋭の若手演奏者が集まる。

 コンクールとは違って、演奏者が自分の持ち味を一番発揮できる曲を選んでいる。個性の際立った多彩な音色が楽しめるはず。コンクール出演者によるジョイントやリレーコンサートは珍しく、出演者にとっても来場者にとっても貴重な機会だと思う。

 ―鉄さんはベートーベンの楽曲を演奏する。

 小学生で初めて聴いた時に「世界が色付く」ほどの衝撃を受け、生涯のテーマとして演奏・研究に取り組んでいる。演奏するのは心の内面に焦点を当てた2曲。「悲愴(ひそう)」は子どものころから弾いている初期の名曲。年齢を重ねたいまの音色を聴いてほしい。「告別」はベテランが演奏するケースが多い。“若手”である自分の演奏にも耳を傾けてもらいたい。

 ―来場者へメッセージを。

 気軽に参加できるコンサート。生の音の魅力をぜひ体感してほしい。

(四国新聞・2020/01/23掲載)

「高松国際ピアノコンクール連携コンサート」


場所 香川県高松市サンポート2-1
日時 2/8 14:00から第1小ホール、17:00から第2小ホール(入場料はいずれも500円)
2/9 14:00から大ホール(一般2500円ほか)、17:00から第1小ホール(500円)
TEL 087-825-5010


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