約1キロにわたって松林が続く津田の松原(さぬき市津田町)。松が林立する中には、七福神になぞらえた立派な老松が7本あり、堂々とした姿で私たちを出迎えてくれる。松林の中には、2本の松が絡み合った「縁結びの松」も。2020年はまだ始まったばかり。幸せ探して、松原を散歩してみた。


松が林立する津田の松原。どこを切り取っても絵画のよう


 津田の松原は江戸時代初期、防風林として植えられたのが始まりとされる。松原は県立公園にも指定されており、琴林公園の名称は松林を吹き抜ける風音があたかも琴を奏でるような音に聞こえることから付けられたという言い伝えもある。

 まずは七福神の松を巡ってみる。幹が太く力強い布袋(ほてい)尊、まっすぐに伸びた幹が美しい福禄寿(ふくろくじゅ)など、個性はさまざまだ。

 中でも、恵比寿(えびす)の松はひときわ存在感を放っていた。地面にあらわになった根はごつごつしていて生命力を感じさせ、四方に伸びた枝も力強い。版画家の棟方志功が津田の松原を訪れた際、この松を大絶賛したとも伝わる。松林の中には根上がりの松もあり、写真の被写体や絵画の題材としてもぴったりだ。


松の根の力強さに思わず見ほれてしまう


 七福神の松を全て巡ったら、津田の松原の中にかかる橋を渡ろう。赤い欄干が美しい橋は、海に向かう行きは「願い橋」、帰りは「叶(かな)え橋」と名付けられている。橋を渡るときに願いごとを心の中で唱えてから渡ると、それがかなうのだという。橋の向こうには海と小さな島々が見え、景色は爽快だ。


願いごとがかなうという願い橋・叶え橋=いずれもさぬき市津田町


 また、七福神以外にもぜひ巡りたいスポットがある。それは「縁結びの松」。2本の松が絡み合い、夫婦のように仲のよさそうな姿で立っている。縁結びの松の近くには、「出逢(であ)い橋」「見逢い橋」もあり、すてきな出会いが期待できるかも。こちらも忘れずに渡ろう。

 夏には海水浴場としてにぎわう津田の松原。冬の松林は静かだが、ウオーキングに訪れる近隣の人も多いようで「こんにちは」とあいさつを交わすのも心地いい。

(四国新聞・2020/01/28掲載)

津田の松原・琴林公園


所在地 香川県さぬき市津田町津田
料金 入園自由
TEL 087-894-1114(さぬき市商工観光課)


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