丸亀城の崩落した石垣の復旧に向け、崩落を免れた三の丸石垣のうち、崩落の影響で緩みや膨らみなどが見られる石垣の解体工事が31日始まった。8月末までに365個の石を1個ずつ取り外す。


三の丸石垣の石をクレーンでつり上げ、取り外す作業に当たる施工業者ら=香川県丸亀市一番丁

三の丸石垣の石をクレーンでつり上げ、取り外す作業に当たる施工業者ら=香川県丸亀市一番丁


 丸亀城は2018年の7月と10月に大雨や台風の影響により、南西部の帯曲輪(おびぐるわ)石垣とその上段にある三の丸石垣が、3度にわたり大規模に崩落した。

 今回の三の丸石垣の解体は高さ約15メートルの石垣を6段(幅約2~10メートル)に分け、上部の段から順に石をクレーンでつり上げ、回収した石を並べている旧城内グラウンドに下ろす。

 併せて解体後の斜面や、現在モルタルを吹き付けて保全している崩落した斜面の安定性を高めるため、斜面上に受圧板(2メートル四方)を51枚設置してアンカーを打ち込む工事を行う。

 この日の解体工事では、市職員や施工業者が石垣の積み直し時に必要な記録を取りながら、重さ1トンほどの石を約40メートル下の同グラウンドまでクレーンで慎重に下ろした。

 三の丸石垣の解体と斜面の安定化工事に続き、崩れ落ちた石の回収や帯曲輪石垣の解体を20年度末までに実施する。その後、21年度末までに帯曲輪石垣の積み直し、23年度末までに三の丸石垣の積み直しを行い、復旧工事を完成させることを目標にしている。

 市は「安全を第一に工事を進め、元の美しい石垣を皆さんに見せられるようにしたい」としている。

(四国新聞・2020/02/01掲載)



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