多度津町本通の旧銭湯を改装したアートカフェ「藝術喫茶 清水温泉」の裏庭に、周辺を散策する合間に休憩したり、ちょっとしたイベントを開いたりできる「小径(こみち)立ち寄り処(どころ)」が誕生した。本通の街並みから桃陵公園に向かう「小径」の道中にあり、清水温泉の壁画に描かれた竜を立体にした大きな作品をシンボルとして設置。街のにぎわいづくりに一役買う。


「藝術喫茶 清水温泉」の裏庭に整備された「小径立ち寄り処」=多度津町本通


 芸術をテーマにした地域活性化に取り組む「多度津藝術塾村プロジェクトチーム」が整備した。メンバーは清水温泉オーナーの日高明道さん(55)や県内外のアーティストら9人で、準備に約半年間かけた。

 小径は本通筋から清水温泉の脇を抜け、白鬚(しらひげ)神社や桃陵公園に向かう150メートルほどの路地。金毘羅参詣でにぎわった名残を残す本通界わいを散策してもらおうと、町内のNPO法人が昨年、街灯や表示板などを整備した。散策中の休憩所がなかったため、多度津藝術塾村プロジェクトチームは清水温泉の裏庭を改修して活用することにした。


「藝術喫茶 清水温泉」の壁画に描かれた竜


 小径立ち寄り処の広さは約150平方メートル。日高さんの長男でアーティストのヒダカナオトさん(27)が、清水温泉の壁画に以前描いた竜を今度は立体作品として制作したものを設置した。最大で高さ2メートル以上あり、胴の下をくぐり抜けることができる。椅子とテーブルを3組用意。ピザ窯を1基設けた。民家の一部も改装して利用する。開放時間は10:00から17:00ごろまでの予定。

 清水温泉を訪れた人たちが周辺を散策するのに利用してもらうほか、小規模なイベントの会場として貸し出す。清水温泉のオープンカフェも検討するという。日高さんは「清水温泉を目当てに町を訪れる人が定着してきた。次は周辺を散策し、四国の玄関口だった多度津の歴史や文化に触れてもらう流れをつくれたら」と話している。

 3月28日には多度津藝術塾村プロジェクトチーム主催のイベント「完熟 婚活オリンピック」があり、参加者はピザ窯でピザを焼くなどして仲を深める(雨天時はお好み焼き作り)。原則として町内に在住・通勤する30~50歳の男女が対象で、参加費は男性3千円、女性500円。定員は男女各10組。問い合わせはイベント事務局〈tadotsu.artvillage@gmail.com〉。

(四国新聞・2020/03/02掲載)

アートカフェ「藝術喫茶 清水温泉」


所在地 香川県仲多度郡多度津町本通1-7-8
営業時間 10:00~22:00
定休日 水曜日
TEL 0877-89-3587


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