宇多津町のうたづ臨海公園内に整備している四国水族館で3日、展示コーナー「龍宮の景」が報道陣に公開された。コーナーは四国水族館として唯一、水槽を使わない展示スタイルをとり、音響や映像、壁画などで浦島太郎が旅した竜宮城などの世界を演出。国内外で注目が高まっている「瀬戸内」の歴史文化や「アート」が味わえる構成になっている。オープンは20日の予定。


浦島太郎が旅した竜宮城などの世界を表現した展示コーナー「龍宮の景」=宇多津町、四国水族館


 三豊市に浦島太郎伝説が残ることや、この伝説と四国八十八カ所霊場との関連を示唆する説があることから企画。水槽内を泳ぐ実物の魚を展示する通常のスタイルとは異なり、水のない場所で史実や言い伝えをひもとく芸術的な空間にした。


浦島太郎が旅した竜宮城などの世界を表現した展示コーナー「龍宮の景」=宇多津町、四国水族館


 展示コーナーは、ウミガメに導かれて深海に向かう「海への誘(いざな)い」や「龍宮殿」など四つのゾーンで構成。このうち龍宮殿では、切り絵作家の作品によって海中の四季を表現し、桜貝の桜吹雪(春)やクジラの潮吹きで始まる花火(夏)などの映像が浮かび上がる。

 また、床には波や水面で四国の形を表し、八十八カ所霊場の場所には貝殻やヒトデを配置。四国のエネルギー、魅力を託したという黄金の竜が登場するシーンもある。

 担当者は「四国ならではの竜宮の景色を楽しんでもらいたい」としている。

 さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で全国的にテーマパークの臨時休園やイベントの中止が相次いでいることについては、「現段階では20日オープンに向けて準備を進めている」とした。

 四国水族館は、臨海公園西側の町有地約8500平方メートルに鉄骨2階建て、延べ床面積約7200平方メートルの施設を整備。完成後の展示水量は2233立方メートルと四国最大級で、約400種1万4千点を展示する。

(四国新聞・2020/03/04掲載)


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