20世紀前半のドイツにあった造形学校「バウハウス」の開校100周年を記念した企画展(高松市美術館など主催)が、高松市紺屋町の市美術館で開かれている。バウハウスで作られた革新的なデザインの家具や、現在の造形教育の基礎となったユニークな授業を紹介し、バウハウスの軌跡を伝えている。22日まで。


バウハウスで作られた作品などを紹介する企画展=高松市紺屋町、市美術館


 バウハウスは第1次世界大戦後の1919年に開校。当時を代表する芸術家が指導に当たり、優れたデザイナーや建築家を育てた。わずか14年で閉校したが、バウハウスの取り組みは後世のデザインや造形教育に大きな影響を与えたという。

 企画展は全国5会場で行われる巡回展の一つ。バウハウスで制作された家具や織物、ポスターのほか、日本人留学生4人の活動記録など約330点を展示している。

 バウハウスの作品では、教員が考案した金属パイプの椅子を紹介。金属パイプは安価で加工しやすく、木材使用が主流だった当時の家具デザインに革新をもたらしたとされる。また、人の顔をアップで撮影したものなど当時は珍しかった芸術性の高い写真も並ぶ。

 基礎教育では、戦後物資が乏しい中、入手しやすかった紙を使って複雑な造形物を作る研究や、無造作に積み上げた道具を単純化して描くデッサンを紹介している。

 担当学芸員は「現在のデザインのスタンダードをつくり出したバウハウスを見つめ直す機会にしてほしい」と話している。

 入場料は一般千円ほか。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2020/03/05掲載)

開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―


所在地 香川県高松市紺屋町10-4(高松市美術館2階展示室)
営業時間 9:30~19:00 (但し日曜日は17:00閉館/入室は閉館30分前まで)
休館日 月曜日
入場料 【一般】1000円(800円)※65歳以上も一般料金
【大学生】500円(400円)
【高校生以下】無料
TEL 087-823-1711


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