「天空の鳥居」として人気が高まっている高屋神社本宮(観音寺市高屋町)への参道となる林道の交通渋滞や事故の抑止対策として、観音寺市が今年のゴールデンウイークにマイカーの乗り入れを禁止し、市中心部と往復する有料のシャトルバスを運行する実証実験を計画していることが8日分かった。


連日多くの観光客が訪れる「天空の鳥居」。参道では交通渋滞や事故が相次ぎ、対策が急務になっている=観音寺市高屋町


 標高404メートルの稲積山頂上にある高屋神社本宮は、観音寺の市街地と美しい瀬戸内海を一望できるスポットとして近年、観光客が爆発的に増加。登山道もあるが、主に三豊市内を通る林道を車で上ることができ、本宮下には約30台分の駐車場がある。

 道幅が狭く、見通しの悪いカーブも多い林道に、土日祝日の多い日には300台を超す車が流入することがあり、側溝への脱輪や軽微な接触事故が続発。観音寺市は三豊市や三豊、観音寺両署など関係機関と協議した上で、抜本的なマイカー進入規制が必要と判断した。

 計画によると、シャトルバス運行の実証実験を行うのは4月29日から5月10日までの12日間。観音寺市の琴弾公園内にある有明グラウンド(観音寺市有明町)に臨時駐車場を設け、有明グラウンドを発着点に10:00から19:00まで30分間隔で運行する。運賃は往復で大人千円、小学生500円、小学生未満無料とし、有明グラウンドに仮設の切符販売所を置く方向で検討している。

 運行するバス事業者はいずれも観音寺市に本社を置く4社。一部事業者は四国運輸局に許可を申請している。運行距離は片道9・9キロで、22~26人乗り程度の小型バスを使用する。林道へのマイカー進入は警備員を配置して9:00から19:00まで禁止とする予定だ。



 三豊署によると、麓の不動の滝カントリーパーク(三豊市豊中町)から高屋神社本宮下の駐車場までの約5キロの道のりで、2018年1月から20年1月までの2年間に、少なくとも計39件の事故やトラブルが発生。当事者が自ら処理し通報していないケースも多いとみられ、実際の件数は把握しきれていない。

 交通渋滞に関する地元住民からの苦情の声も関係機関に多く寄せられており、観音寺市は昨年のゴールデンウイークやお盆期間に連日、警備員4人を配置し、交通整理に当たった。

 高屋神社本宮は今年に入って、大手旅行情報サービスによる全国の「開運×絶景スポット」ランキングで2位に選ばれたほか、民放キー局の情報番組などで相次いで紹介され、人気に拍車が掛かっている。

(四国新聞・2020/03/09掲載)


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