漆芸家で日展会員の佐々木達郎=さぬき市=の個展が、高松市上福岡町の讃岐漆芸美術館で開かれている。卓越した技と創意を凝らした作品が並び、漆の雅(みやび)やかな世界を伝えている。29日まで。


佐々木達郎の漆芸作品を鑑賞する来場者=高松市上福岡町、讃岐漆芸美術館


 さぬき市出身の1956年生まれ。東京芸術大大学院を修了した81年に日展で初入選し、95年と99年に特選を受賞。日展審査員を2度務め、2019年度には県文化功労者に選ばれた。

 佐々木は瀬戸内海の風景をモチーフにした漆額やオブジェなど美術的な作品を多く制作。近年は金箔(きんぱく)をちりばめたように配置する独特の加飾表現「雅貼り」を考案し、蒟醤(きんま)や螺鈿(らでん)などさまざまな技法と組み合わせた表現にも取り組んでいる。

 讃岐漆芸美術館での個展は17年に続き2度目。会場には新作を中心とした平面、立体の作品計31点が並ぶ。

 「夜桜」と題した漆額は、黒漆で夜空、ピンク色の漆で桜の花びらを細やかに表現した彫漆作品。雅貼りと螺鈿を組み合わせた「菓子器 紅白梅」は、菓子器のふたや側面に金とオレンジの金箔をちりばめている。紅梅を表現する貝の裏側には赤い色漆を塗ってあり、鑑賞する角度によって色味が鮮やかにもくすんでいるようにも変化するのが見て取れる。

 朱色の漆を中心に使って瀬戸内海と屋島の夕景を表現した漆額なども並ぶ。

 入場無料。問い合わせは讃岐漆芸美術館、電話087-802-2010。

(四国新聞・2020/03/26掲載)

讃岐漆芸美術館


所在地 香川県高松市上福岡町2017-4
営業時間 10:00~18:00
TEL 087-802-2010


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