白銀の世界はかなく 美術作家・三村昌道が個展 塩江美術館・来月10日まで
高松市の美術作家・三村昌道の個展「Step on the Snow」が、高松市塩江町の市塩江美術館で開かれている。銀色のアクリル絵の具を用いて雪原を描くシリーズで、自然の雄大さや移りゆく情景のはかなさの表現を試みている。5月10日まで。
三村は高松市出身、1965年生まれ。多摩美術大絵画科で油彩画を専門に学び、現在は高松工芸高の美術科教諭として教壇に立つ傍ら、自身の表現を追求している。
油彩画や写真、インスタレーションといった幅広い表現を経て、2008年から雪原をテーマにした絵画を制作。今回は09年の作品から新作までの計17点を展示している。県内で大規模な個展を開くのは初めて。
三村はマスキングインクや銀色のアクリル絵の具を何層にも塗り重ねて雪原の凹凸を立体的に描写し、マスキングインクを引きはがすことで雪解けした大地を表現。意図して描き込んだ部分と画材が偶然にはがれた部分が混在する作品に仕上げている。
凹凸のある表面に自然光や照明が当たると陰影が生まれ、鑑賞する角度によって印象が異なるのも特徴だ。「春の狩りI」と題した300号の大作から、夜の蒜山(ひるぜん)高原(岡山県)に降る雪を写実的に描いた初期の小品までが並ぶ。
入場料は一般300円ほか。会期中の土、日曜日は、三村が市塩江美術館デッキで公開制作を行う。問い合わせは市塩江美術館、電話087-893-1800。
(四国新聞・2020/04/16掲載)
美術作家・三村昌道の個展「Step on the Snow」
所在地 | 香川県高松市塩江町安原上602 |
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営業時間 | 9:00~17:00(入室は16:30まで) |
定休日 | 月曜日(祝休日の場合は開館、翌日休館) |
TEL | 087-893-1800 |