その扉の向こうには何が広がっているのだろう―。香川県東かがわ市松原の白鳥神社(猪熊兼年宮司)の境内に鮮やかなピンク色の木製ドアがぽつんと置かれている。まるでドラえもんの「どこでもドア」のようで、広大な松林の中にある不思議な光景が「インスタ映えスポット」としてじわりと注目を集めている。


「未来への扉」と名付けられたピンク色の扉。神社の参道にぽつんとあり、不思議な空間を醸し出している=香川県東かがわ市松原、白鳥神社

「未来への扉」と名付けられたピンク色の扉。神社の参道にぽつんとあり、不思議な空間を醸し出している=香川県東かがわ市松原、白鳥神社


 白鳥神社によると、このドアの名前は「未来への扉」。本殿北側の景勝地で、日本一小さな山などがある白鳥の松原にある。2009年11月に白鳥神社に整備された弓道場の設置10周年を記念し、地元の弓道愛好家らでつくる「神弓会」が昨年12月に設置した。

 行きたい場所に行ける「どこでもドア」。一方で未来の扉のそばには「どこへでも行けるドアではありません」などと書かれた立て看板があるが、それでも「扉をくぐった人それぞれが、新たな一歩を踏み出せるように」との願いが込められているという。

 設置後、近くの幼稚園児らから人気を集めているほか、写真共有アプリ「インスタグラム」で紹介され、新型コロナウイルスの感染拡大前には、うどん巡りの大学生らが立ち寄るスポットになっていた。

 鳥居と一緒に撮れたり、木漏れ日が差したりと、見る場所や時間帯によって違う顔が見られるのも面白く、12日に訪れた丸亀市内の男性会社員(44)も「インスタで見るよりずっといい」と写真を撮影していた。

 白鳥神社は現在、医療従事者への感謝の気持ちを込め、こま犬に青色の前掛けをするなどしている。猪熊兼高禰宜(ねぎ)は「1日でも早くコロナが終息し、扉の先に明るい未来が待っていてほしい」と話している。

(四国新聞・2020/05/13掲載)


白鳥神社

白鳥神社


所在地 香川県東かがわ市松原69
TEL 0879-25-3922


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