「ツツジの駅」として知られる観音寺市豊浜町のJR豊浜駅構内で約200株のツツジが見頃を迎え、車窓いっぱいに広がる赤色やピンク色の花が乗客らにひとときの和みを与えている。毎年5月に地元の自治会の主催で「豊浜駅つつじ祭り」が開かれているが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で初めて中止になった。


JR豊浜駅のホーム沿いに咲き誇るツツジ。乗降客らを優しく出迎える=観音寺市豊浜町


 JR豊浜駅のツツジは1941年に旧国鉄の当時の駅長らが植えたのが始まりとされ、約300メートルのホーム沿いに鮮やかに咲き誇っている。61、70年に「全国花いっぱい花咲く美しい日本一の駅」に選ばれたことがあり、満開の花が行き交う列車を出迎える光景は鉄道ファンやカメラ愛好家を引き付けてやまない。

 85年に駅が無人化された後は地元の須賀自治会が手入れを続け、翌年から見頃に合わせて駅前広場で「つつじ祭り」を開催してきた。

 今年は今月3日に餅つき大会やフリーマーケット、花と野菜の即売、飲食バザーなどを予定していたが、新型コロナ感染防止のため取りやめ、献血の催しだけを実施。コロナ禍で輸血用血液の不足が懸念される中、関係者の予想を上回る75人が献血に協力した。

(四国新聞・2020/05/15掲載)



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