歴史や美術、また身近に 県立ミュージアム再開
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため休館していた県立ミュージアム(高松市玉藻町)が再開し、常設展示室では「高松藩家老・木村黙老とその時代」と「アート・コレクション 20世紀の美術」の二つの展示会(県立ミュージアム主催)が開かれている。再開を心待ちにしていた歴史ファンや美術愛好家らはマスクを着けるなど感染に気を付けながら鑑賞している。「黙老展」は17日まで、「20世紀の美術展」は7月26日まで。
木村黙老(1774~1856年)は、坂出塩田を開くなど高松藩の経済政策で実績を上げた。一方、執筆や詩画にも造詣が深く、平賀源内の肖像画を手掛けたほか、「南総里見八犬伝」を記した滝沢馬琴の3人の親友のうちの1人ともされている。
黙老展では86点の資料を展示。黙老が馬琴から買い取った書物には「瀧澤文庫」の印があるほか、馬琴による書き込みも見られる。黙老が手掛けた優雅なクジャクの絵やアイヌの風俗図の模写も並び、興味関心の幅広さがうかがえる。
20世紀の美術展は、県立ミュージアムが所蔵する著名な海外作家の作品7点を紹介。このうち、ピカソの油彩画「編み物をする女とそれを見る人」は、色や線を極力減らした実験的な大作。日本の浮世絵に影響を受けたとされるカンジンスキーの多色木版画「響き」のほか、ルオーの油彩画も並んでいる。
黙老展を鑑賞していた高松市木太町の主婦植田安子さん(70)は「地元の歴史が学べて、いい気分転換にもなった」と話していた。
(四国新聞・2020/05/15掲載)
香川県立ミュージアム
所在地 | 香川県高松市玉藻町5-5 |
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開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が休日の場合は、原則として翌火曜日) 12月26日~1月1日 |
TEL | 087-822-0247 |