香川漆芸の三技法の一つ、存清(ぞんせい)の魅力を紹介する展覧会が、香川県高松市番町の香川県文化会館香川漆芸ホールで開かれている。繊細な彫りと筆による描き込みで美しい文様を浮かび上がらせた作品が並び、来場者を引きつけている。6月7日まで。


香川伝統の漆芸技法「存清」の魅力を紹介する展覧会=香川県高松市番町、県文化会館

香川伝統の漆芸技法「存清」の魅力を紹介する展覧会=香川県高松市番町、県文化会館


 存清は漆を塗り重ねた素地に、色漆で文様を描いて輪郭や細部を彫る技法。展覧会は香川県漆芸研究所が主催し、2000年度から16年度までの修了生13人の作品と、歴代の存清の講師の見本計約30点を展示している。

 会場には伝統の技法を用いつつ、独自の発想が光る作品がずらり。水辺で戯れる鶴を描いた作品は、スポンジを使って漆を塗ることで鶴をぼかして描写。水面には細かな彫りを施し、鶴が際立つよう工夫している。

 このほか、色漆で多彩な種類のコケを細かく描写した作品や、お面の形の素地に伝統の七宝文様を浮かび上がらせた作品も目を引いていた。

 展覧会を担当する辻孝史技師(46)は「表現の幅が広い存清の魅力に触れてほしい」と話していた。

(四国新聞・2020/05/28掲載)


香川県漆芸研究所

香川県文化会館 香川漆芸ホール


所在地 香川県高松市番町1-10-39
営業時間 9:00~17:00
休館日 期間中は無休
TEL 087-831-1814


関連情報