香川県漆芸研究所(高松市番町)の歴代修了作品を紹介する展示会が、県文化会館で開かれている。伝統的な菓子器や皿のほか、現代の生活に溶け込むような飾り棚など、昭和から令和にかけての修了作品を一堂に紹介。香川漆芸の変遷をたどることができる。7月27日まで。


歴代の修了作品を紹介している展示会=高松市番町、県文化会館


 作品展は香川県漆芸研究所が主催。彫漆(ちょうしつ)、蒟醤(きんま)、存清(ぞんせい)の香川漆芸の三技法を学んだ修了生50人の50点を展示しており、今年の修了作品5点も含まれる。作品は展示会後、香川漆芸の魅力を広く伝えるため、香川にゆかりのある企業・団体に無償で貸し出される予定。

 今年の修了生、小林由実さんの「蒟醤飾棚(かざりだな) 天上(てんじょう)」は、ユニークな円形の飾り棚の側面に、蒟醤を用いて鮮やかな曼珠沙華(まんじゅしゃげ)を描写。野殿英恵さんの「彫漆箱 うつろい」は、青から赤へと色づく柿の実や葉を描くことで、季節の移ろいを巧みに表現した。

 香川県漆芸研究所の辻孝史技師は「時代ごとに変化する漆器の形や感性の違いを見てほしい」と話していた。

 作品貸し出し事業は5回目。昨年は46点が貸し出され、企業の応接室などに展示された。今年の貸出期間は8月10日から翌年4月30日まで。希望者は7月10日までに申し込む。問い合わせは香川県漆芸研究所、電話087-831-1814。

(四国新聞・2020/06/20掲載)

修了作品展


所在地 香川県高松市番町1-10-39(香川県漆芸研究所)
開催期間 2020/6/12(金曜日)~2020/7/27(月曜日)
開館時間 9:00~17:00
観覧料 無料
TEL 087-831-1814


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