歴史的・文化的に重要な日本の古道を選んだ「歴史の道百選」を広く知ってもらおうと、文化庁が詳しいルートを記した地図をインターネットで公開している。昨年10月に36件を追加選定した後「現地を訪れたい」との問い合わせが相次いだためで、文化庁は「安全に配慮しつつ、歴史散策を楽しんでほしい」としている。

 百選は、古くから人や物資が行き交った街道や水路などのうち、特に重要な意義を持つものを文化庁が選定した。1996年にまず78件を公表、昨年10月に追加した。


阿讃の県境付近の峠道。脇には不動尊が祭られている(資料)

阿讃の県境付近の峠道。脇には不動尊が祭られている(資料)


 全国で計114件となった百選には、弘法大師空海ゆかりの八十八カ所霊場を訪ねる「四国遍路道」(四国4県)や阿讃国境の峠道である讃岐街道―大坂峠越(徳島県板野町、香川県東かがわ市)、修験者が行き交った「白山禅定道」(石川県、福井県、岐阜県)、飛騨から長野の製糸工場へ出稼ぎに行く女性が越えた野麦峠を含む「野麦道」(長野県)などが含まれる。

 中には険しい山道もあり、文化庁の担当者は「実際に行く場合は地元自治体などに状況をよく確認してほしい」と呼び掛けている。一部、地図が未掲載の古道もあり、順次増やすという。サイトは「歴史の道百選」で検索できる。

(四国新聞・2020/07/26掲載)


文化庁選定「歴史の道百選」


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