「天空の鳥居」として知られる高屋神社本宮(観音寺市高屋町)と観音寺市中心部を往復するシャトルバスの運行が1日、スタートした。家族連れや友人グループらが次々と乗り込み、初日の利用客は150人。うち県外からの客は3分の2の101人だった。各便に満遍なく利用があり、積み残しは発生せずスムーズに運行した。バス事業者は「まずまずの滑り出し」としている。


高屋神社本宮の駐車場でシャトルバスを乗り降りする利用客=観音寺市高屋町


 参道となる林道の交通渋滞や事故の抑止対策として観音寺市が実証実験として実施。今月の土日祝日と11~14日の計15日間、観音寺市有明町の琴弾公園内にある有明グラウンドに臨時駐車場を設け、有明グラウンドを発着点に市内のバス事業者4社が午前10時から午後7時まで30分間隔で運行する。

 3密を避けるため、1台当たりの乗車人数を原則12人までに制限するなど、新型コロナウイルスの感染防止対策を講じている。

 午前10時発の第1便に乗った多度津町の無職男性(76)と妻(76)は孫から天空の鳥居が有名な観光スポットと教えられ、「一度行ってみようか」と思い立ったという。林道の狭い道幅と連続するカーブに「自分(の車)で来るのはとても無理。バスが出てくれてよかった」と話した。

 広島市の会社員本田夕紀子さん(44)は、友人の高松市の会社員小笹由紀子さん(56)と乗用車で来て林道入り口で警備員にバス乗り場を案内されたといい、次の便に乗車。鳥居からの眺めに「めっちゃ、きれい。ストレスフルで来たけど、気分が晴れた」と爽やかな笑顔を見せた。

 バスを運行する三豊中央観光バス(観音寺市)の高嶋真也社長は「認知度が上がれば、利用客は増えると思う。混雑が予想されるお盆期間の13~16日には、バスを1台増やして4台体制で運行したい」と話した。

(四国新聞・2020/08/02掲載)



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