香川県三豊市詫間町の紫雲出山で見頃を終えたアジサイの花をドライフラワーとしてよみがえらせ、父母ケ浜(香川県三豊市仁尾町)に今月オープンしたドライフラワー専門店が販売を始めた。売り上げの一部は市観光交流局が行っている「桜募金」に充て、県内を代表する桜の名所である紫雲出山の保全に活用する。


紫雲出山のアジサイを使ったドライフラワーが所狭しと並ぶ専門店の店内=香川県三豊市仁尾町

紫雲出山のアジサイを使ったドライフラワーが所狭しと並ぶ専門店の店内=香川県三豊市仁尾町


 紫雲出山のアジサイは青色が中心で、一輪一輪の花がとても大きく、色も濃いことで知られる。管理する市観光交流局の石井紫チーフマネージャーが毎年約2トンを廃棄処分しているアジサイの花をドライフラワーに利用できないかと発案し、1日にオープンした専門店「Seasonal stand」の協力を取り付けて実現した。

 7月下旬に剪定(せんてい)したアジサイのうち、比較的きれいな約200株分の花を同店がドライフラワーにし、看板商品として専用の売り場を設けた。

 店内はシックな色合いに生まれ変わったアジサイが天井を覆い尽くすようにちりばめられ、鮮烈な存在感を放っている。売れ筋は1本の単品で1000~2000円、ブーケで2500円程度。滋賀県から訪れた女性公務員(27)は「母がアジサイを好きなので」と、プレゼント用に買い求めていた。

 石井さんは「タイミングよく剪定でき、アジサイの元の青色が残った仕上がりになっている。皆さんに喜んでもらえるのでは」と手応えを語る。

 紫雲出山の桜は昨年1月、米紙ニューヨーク・タイムズ電子版に写真が掲載されて注目が一段と高まっているが、山頂の展望台から見える辺りは樹齢60年を過ぎた老木が多く、市観光交流局は保全のため毎年、桜募金を行い、協力を求めている。今年は新型コロナウイルスの影響で桜のシーズンに入山禁止の措置を取ったことから、花見客に募金の呼び掛けができなかった。

 「Seasonal stand」の担当者は「紫雲出山の桜は保全が必要で、お金がかかることを地元の人だけでなく、観光客にも知ってもらいたい。桜募金を通じて地域貢献ができれば」と話している。「Seasonal stand」の営業時間は11:30~18:30。火、水曜定休。

 アジサイのドライフラワーは紫雲出山山頂にある紫雲出山遺跡館でも一部取り扱っている。

(四国新聞・2020/08/04掲載)


Seasonal stand(Instagram)

Seasonal stand


所在地 香川県三豊市仁尾町仁尾乙202
営業時間 11:30~18:30
定休日 火、水曜日


関連情報