多度津町立資料館(多度津町家中)で企画展「多度津に伝わる工芸品」が開かれている。江戸後期から廻船(かいせん)業で財を成し、明治以降は近代産業の発展に貢献した商家の漆工芸品などが並び、当時の多度津の繁栄ぶりが見て取れる。30日まで。


商家に伝わる漆工芸品が並ぶ企画展=多度津町家中、町立資料館


 多度津町立資料館は6、7月にも商家から寄贈された工芸品の企画展を開催。今回は大半の展示を入れ替え、約150点を紹介している。

 商家に伝わる漆器は重箱や膳、椀(わん)などがあり、当時の豪商の生活をしのばせるようで来館者の目を引いている。商家に加え、多度津藩領だった三豊市高瀬町羽方の庄屋で使っていた盆や椀なども見られる。

 このほか、漆の装飾を施した刀の鞘(さや)、清水寺や金閣寺など京都の名所を描いた金蒔絵(まきえ)の書棚などを展示。漆芸の人間国宝だった音丸耕堂、その師の石井磬堂(けいどう)の作品も並ぶ。

 同館は「展示を通して、幕末から明治、大正に繁栄した多度津の商家の力や、まちの歴史に思いをはせてほしい」としている。

 観覧無料。開館時間は9:00から17:00まで。月曜休館。問い合わせは多度津町立資料館、電話0877-33-3343。

(四国新聞・2020/08/23掲載)



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