江戸時代に活躍した浮世絵師・葛飾北斎(1760~1849年)の芸術の全貌を明らかにする特別展「世界が絶賛した浮世絵師 北斎展 師とその弟子たち=北斎からアンリ・リヴィエールまで」(高松市美術館主催)が12日、香川県高松市紺屋町の市美術館で始まった。連作「冨嶽三十六景」をはじめとする版画や貴重な肉筆画が並び、開幕を待ちわびた美術ファンらが詰め掛けている。10月18日まで。


葛飾北斎の作品などが並ぶ特別展=香川県高松市紺屋町、市美術館

葛飾北斎の作品などが並ぶ特別展=香川県高松市紺屋町、市美術館


 北斎は晩年まで積極的に創作活動を続け、生涯で3万点を超える作品を発表。大胆な構図や象徴的な色使いを取り入れ、現在も国内外で高い人気を誇っている。

 特別展では初期の役者絵や妖怪絵に加え、北斎に影響を受けたフランスの版画家アンリ・リヴィエールの作品など約170点が集められた。中でも「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や「諸国瀧廻り 木曽海道小野ノ瀑布」で見られる繊細な水の描写は見どころで、多くの来場者が足を止めていた。

 このほか、同時代に活動した弟子たちの作品も紹介。自身も何点かまねをして描いてみたことがあるという高松市の冨山昇次さん(59)は「これだけの数を間近で見ることができて本当によかった」と話した。

 会期中は、北斎作品にまつわる記念講演会や浮世絵刷りが体験できるワークショップなどがある。入場料は一般千円ほか。高校生以下無料。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2020/09/13掲載)


高松市美術館

特別展「世界が絶賛した浮世絵師 北斎展 師とその弟子たち=北斎からアンリ・リヴィエールまで」


会場 高松市美術館(香川県高松市紺屋町10-4)
会期 2020/9/12(土曜日)~10/18(日曜日)
開館時間 9:30~17:00(入室は閉館30分前まで)
※金曜日・土曜日は19:00閉館
休館日 月曜日、9/23(水曜日)
※9/21(月曜日・祝日)は開館
入場料 一般(65歳以上含む)/1,000円(800円)
大学生/500円(400円)
高校生以下は無料
※( )内の料金は前売及び20名以上の団体料金
TEL 087-823-1711


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