香川県立ミュージアムで24日から特別展「語る武具~ARMOUR&STORIES~」(県立ミュージアム主催)が開かれるのを前に、報道関係者を対象にした内覧会が23日、県立ミュージアムであった。会場には県内初公開となる刀剣など讃岐ゆかりの武具がずらりと並び、それらにまつわる伝承や逸話などの「物語」と共に紹介することで武具の魅力を掘り下げて伝えている。12月6日まで。


武具を物語と共に紹介している「語る武具」展=高松市玉藻町、県立ミュージアム


 特別展は、美術品とされがちな武具を生きた道具として見てもらうのが狙い。戦国時代末期から江戸時代にかけて使われた刀剣や甲冑(かっちゅう)、火縄銃、馬具などの資料約180件を「伝わる刀」「造るひとびと」など六つのテーマに分類して展示している。

 このうち、丸亀京極家伝来の「短刀 銘 吉光(よしみつ)」は県内初公開。関ケ原の戦いで功績を挙げた京極高次が、戦いに先立って徳川家康から与えられたエピソードと一緒に展示されている。同じく初公開となる生駒家伝来の「刀 無銘 伝長義(でんちょうぎ)」は、南北朝時代に作られたもので「生駒讃岐守」の名が刻まれている。


生駒家伝来の「刀 無銘 伝長義」


 このほか、幕末に活躍した高松藩の松平頼該(よりかね)(左近)が使っていた甲冑「色々威腹巻具足(いろいろおどしはらまきぐそく)」は、南北朝時代の武将・楠木正成所用とされる甲冑を仕立て直したもの。直す前の姿を描き写した絵図も添えられており、頼該の正成に対する敬慕の念が感じ取れる。

 特別展は、甲冑を着用した人物をモチーフに造形作品を手掛ける野口哲哉さん(40)=高松市出身=が企画協力。会場には野口さんによる書き下ろしの絵画や逸話を再現した映像作品もある。特別担当の御厨(みくりや)義道学芸員は「専門用語を避けて物語に重点を置いているので、幅広い人に楽しんでほしい」と来場を呼び掛けている。

 観覧料は一般千円ほか。月曜休館。問い合わせは香川県立ミュージアム、電話087-822-0002。

(四国新聞・2020/10/24掲載)

語る武具~ARMOUR&STORIES~


所在地 香川県立ミュージアム
香川県高松市玉藻町5-5
会期 10/24(土曜日)~12/6(日曜日)
開館時間 9:00~17:00
休館日 10/24・10/31・11/7・11/14・11/21・11/22
TEL 087-822-0002

特別展「語る武具~ARMOUR&STORIES~」



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