山あいの香川県木田郡三木町小蓑に地元住民が運営する農泊施設「昭和の宿こみの」が25日にオープンする。「昭和の農村の生活体験」をコンセプトに、古民家での宿泊と山菜採りなどのプログラムを提供、過疎化が進む農村の健全な存続にもつなげる。

 施設は、地元自治会や農事法人などでつくる小蓑農泊推進協議会が運営。30年以上空き家になっていた民家を自治会が買い取り、宿泊施設として改修した。


かまどを備えた土間の台所。昭和の農村の民家を再現した=三木町小蓑


 古民家は、はりなどの部材を可能な限り再利用し、昭和の農村の民家の造りを再現した。縁側のある和室のほか、土間の台所にはかまどを設置。まきで沸かす五右衛門風呂も備えている。

 利用者は、住民のサポートを受けながら、持ち込んだ食材を台所で調理。五右衛門風呂を沸かす体験もできる。宿泊とセットで提供するプログラムは、山菜採りや田植え、流しそうめん、餅つきなど季節ごとの体験を用意している。

 宿泊は一棟貸しで、定員は4人。料金は1泊1万5千円。予約はホームページ〈http://www.komino.net/〉で受け付ける。日帰り利用(5千円)も可能。事前予約で食材の提供も行う。

 小蓑農泊推進協議会の阿部泰人会長は「昔の田舎の暮らしは、団塊の世代以上には懐かしく、若い世代には新鮮なはず。幅広い年代の人に利用してもらい、地域の活性化にもつなげたい」と話している。

(四国新聞・2020/10/24掲載)


昭和の宿こみの



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