画家や小説家などとして活躍した和田邦坊(琴平町出身、1899~1992年)の作品と資料を紹介する企画展「秋の夜ばなし/冬来たりなば 第1部」が善通寺市大麻町の灸まん美術館で開かれている。秋の風物詩を色鮮やかに描いた日本画や、疫病退散にちなんだ掛け軸など現在の時節に合わせて選んだ作品が会場を彩っている。第1部は来年1月11日まで。


秋の風物詩などを描いた和田邦坊の作品が並ぶ企画展=善通寺市大麻町、灸まん美術館


 今展では絵画作品のほか、邦坊による雑誌記事の切り抜き、写真資料など初公開の8点を含む65点を展示。このうち、病魔を払う神「鍾馗(しょうき)」を描いた掛け軸は、昼寝をしている鍾馗を宿敵の鬼が起こそうとする様子を描写しており「大変なときこそユーモアが大切」と語っていたという邦坊の姿勢が表れている。

 また、地元琴平のちょうさを漫画風に描いた作品や、県内の紅葉をモチーフにした風景画など季節感あふれる作品も並ぶ。

 資料関係では、親交のあった木版画家・棟方志功から贈られた木版画や書簡のほか、雑誌記事の取材のために会った有名力士やプロボクサーに競技指導を受けている写真を公開。邦坊の交友関係や仕事ぶりをうかがい知ることができる。

 入館料は一般500円ほか。問い合わせは灸まん美術館、電話0877-75-3000。

(四国新聞・2020/11/05掲載)

灸まん美術館


所在地 香川県善通寺市⼤⿇町338
開館時間 9:00~17:00
休館日 水曜日・年末年始
TEL 0877-75-3000


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