全国の寺社仏閣のたたずまいをペンで精緻に描いた洋画家・永井吐無さん(76)=東京都在住=の個展が3日、高松市栗林町の栗林公園掬月亭で始まった。京都を中心に、各地の名だたる神社や寺院を繊細なタッチで描写した神秘的で厳かな雰囲気あふれる作品が来場者を魅了している。5日まで。


全国の寺社仏閣をペンで精緻に描いた作品を公開した永井さん=高松市栗林町、栗林公園


 永井さんは愛媛県新居浜市生まれで、高松工芸高卒。1970年に個展を初めて開催した後、スペインを拠点にヨーロッパ各地で制作活動を展開してきた。四国霊場の88カ寺など日本の建築物のスケッチにも力を注ぎ、全国の画廊や百貨店などで個展を数多く開催している。

 同展は、掬月亭を管理する料亭「二蝶」(高松市)が主催。約20年にわたって全国各地の神社や寺を訪ね、描いた作品の中から永井さんが厳選した80点を収めたペン画集「日本寺社仏閣」の出版を記念して開いた。

 会場には、清水寺や金閣寺などの古都・京都の文化財をはじめ、厳島神社(広島県)や日光東照宮(栃木県)、金刀比羅宮(琴平町)など画集に掲載された80点がずらり。富士山を描いた油彩や今回の個展のために描いた栗林公園のペン画も特別に展示している。

 永井さんは「何事にも惑わされず、自分の信念に基づいて歩んできた。作品を通して、そんな思いや生き方が伝われば」と話していた。

 開催時間は9:00から16:30まで(入亭は16:00まで)。観覧無料だが、入亭料700円(抹茶・お菓子付き)が必要。問い合わせは二蝶、電話0120-86-0220。

(四国新聞・2020/12/04掲載)


栗林公園



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