古代から現代までの讃岐人の書を通覧する企画展「よどみなき讃岐の書-古(いにしえ)と今をつなぐ-」が、香川県高松市昭和町の高松市歴史資料館で開かれている。書に優れる三筆の一人として知られる弘法大師空海の時代から香川に受け継がれてきた、幽玄の世界に触れることができる。2021年1月17日まで。


古代から現代までの讃岐人の書を集めた企画展「よどみなき讃岐の書―古と今をつなぐ―」=香川県高松市昭和町、高松市歴史資料館

古代から現代までの讃岐人の書を集めた企画展「よどみなき讃岐の書―古と今をつなぐ―」=香川県高松市昭和町、高松市歴史資料館


 地元ゆかりの書や関連資料など千点を超える同館のコレクションの中から、さまざまな書作品に親しんでもらおうと開催。現代の県書道界を代表する書家・小森秀雲(高松市)が企画に協力した。

 会場には古代から現代までの能書家や藩主、文化人ら約60人の書と関連資料計83点を時代順に展示している。全5章のうち第1、2章では古代から中世までに焦点を当てており、中国・漢代の竹簡や空海が最澄に宛てた手紙の複製品などが並ぶ。

 江戸時代の書を取り上げた第3章では、高松藩校「講道館」の初代総裁・後藤芝山(しざん)(1721~82年)が自作の漢詩をしたためた軸や、その門下生らの作品を紹介。高松生まれの漢詩人で芝山の門下生、菊池五山(1769~1849年)の書は、癖が強い書きぶりの中にも芝山の型がうかがえるという。

 「讃岐漆芸の祖」玉楮象谷や「香川独立の父」中野武営(たけなか)ら近世の香川を支えた文化人・実業家らの書も集めたほか、小森や大西きくゑら現代の書家による前衛書やかな書、漢字書なども紹介している。

 入場料は一般200円ほか。問い合わせは高松市歴史資料館、電話087-861-4520。

(四国新聞・2020/12/17掲載)

高松市歴史資料館


所在地 高松市昭和町1-2-20(サンクリスタル高松4階・歴史資料館)
TEL 087-861-4520

高松市歴史資料館



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