香川県善通寺市中村町のボウリング場「マックスボウル」の壁面をアートで彩る取り組みが進んでいる。縦約6メートル、横約25メートルの壁面が2面あり、高松市の抽象作家、kuromaさん(25)が制作に当たっている。2月末ごろには“巨大壁画アート”がお目見えする予定。


「自然体な作品を完成させたい」と話すkuromaさん=善通寺市中村町、マックスボウル


 取り組みは、市に新たなアートスポットを作ろうと善通寺の地域おこし協力隊員、日高慎一郎さん(37)が企画した。若者のボウリング離れが進む中、若年層がボウリング場に訪れるきっかけにもつなげたい考え。制作の様子は日高さんのインスタグラムで見られる。

 昨年12月初旬から開始し、片面の3分の2程度が仕上がっている。青色や白色などに塗った壁面の上に繊細な線が描かれており、その絡み合う様子が、平面でありながらも奥行きを感じさせる。鑑賞する人によっては、海や竜を表現しているようにも見えるそうで、想像力を働かせながら見ると面白い。

 営業時間中に制作しているため、kuromaさんに声を掛ける来店者も多く、若手アーティストと市民らの交流も生まれている。kuromaさんは「恵まれた環境で取り組めて感謝。この経験によって今後の作品にも広がりが生まれると思う。場に溶け込むような自然体なものを完成させたい」と話している。

(四国新聞・2021/01/05掲載)



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