香川の伝統工芸である讃岐漆芸の作家らにスポットを当てた写真展「讃岐漆芸の人たち」が、高松市上林町の大西・アオイ記念館で開かれている。県内で活動するベテラン作家らの制作風景をはじめ、県漆芸研究所(高松市番町)の研究生らの表情を捉えた作品など計約60点が並び、訪れた人たちに伝統工芸の奥深さや作家らの情熱を伝えている。31日まで。


讃岐漆芸の作家らを紹介している写真展=高松市上林町、大西・アオイ記念館


 写真展は県内の愛好家4人でつくる「讃岐写真作家倶楽部(くらぶ)」(浪越英司代表)が開催。これまで、庵治石や伊吹島の文化など県内の地場産業と風景をテーマに開いており、4回目となる今回は讃岐漆芸に携わる作家らの息吹を後世に残そうと企画した。

 ベテラン作家らがテーマの作品は、メンバーが2019年4月から約1年にわたって県内の漆芸家8人を撮影。アトリエで緻密な模様を彫る作家の気迫に満ちたまなざしのほか、獅子頭の修理の様子、高知県の山中で漆を採取する作家を収めた意欲作が並んでいる。

 県漆芸研究所の写真は、真剣な中にも制作を楽しむ研究生の表情が印象的。授業で行うデッサンや塗り、彫り、研ぎといった工程をつぶさに見ることができる。会場には讃岐漆芸美術館(高松市上福岡町)の協力で讃岐漆芸の人間国宝らが手掛けた漆器など約20点も展示している。

 浪越代表(78)は「ベテラン作家だけでなく、熱心に取り組む若手の“今”も撮影した。写真を見て伝統工芸に関心を持ってもらえたらうれしい」と話していた。

 入館料は一般100円ほか。問い合わせは大西・アオイ記念館、電話087-880-7888。

(四国新聞・2021/01/20掲載)

写真展「讃岐漆芸の人たち」


開催期間 1/16(土曜日)~1/31(日曜日)
所在地 大西・アオイ記念館
香川県高松市上林町148
開館時間 9:30~17:30
入館料 一般100円 高校生以下・障害を持たれた方 無料
休館日 月曜日(祝日の場合は、開館翌火曜日が休館)
TEL 087-880-7888


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