崇徳上皇が晩年を過ごしたとされる坂出市府中町の鼓岡神社周辺で7日、讃岐国府まつりが開かれる。今回は、鼓岡神社が収蔵する品が初めて公開され、収蔵品約5千点のうち、江戸時代初期に編さんされた上皇にまつわる書籍など計29点を展示する。


讃岐国府まつりで公開される山田得多による書


 まつりは、鼓岡神社近くにある讃岐国府跡が国史跡に指定されたのに合わせ、地域住民らでつくる有志が昨年から開催。本年度の市にぎわい創出事業に採択された。

 収蔵品は、1909(明治42)年ごろに府中村の藤井亀三郎村長の呼び掛けで収集が始まり、上皇の顕彰や地域の歴史、伝説の継承に必要と考えられたものが鼓岡神社内の鼓岡文庫に保管された。氏子ら一部の人以外には非公開とされていたが、府中の歴史に関心を持ってもらおうと今回、一般公開することにした。

 まつりでは、上皇に関連する「西行物語」(編さん1625年)や「絵本保元平治戦図絵」(同1801年)をはじめ、「平家物語」「延喜式」といった書籍23点、書画6点を展示。書画では讃岐国府跡にある「讃岐国庁跡碑」に刻まれた高松出身の書家、山田得多による書も紹介する。

 収蔵品は、国府跡の発掘調査に当たったボランティア「ミステリーハンター」が鼓岡神社の承諾を得て2015~17年に調査。約5千点あることが分かった。調査に当たった同町の池浦健一さん(70)は「地域の財産を見てもらい、歴史、文化の香りを感じてもらえれば」と話した。

 まつりは10:00から14:00まで。開法寺跡発堀調査の現地説明会や琴・サヌカイト演奏会なども行われる。

(四国新聞・2021/02/05掲載)


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