自然を題材にした油彩画を描き続けている馬渕晃子さん(34)=高松市=の個展「かすかなカタチ」が2日、丸亀市猪熊弦一郎現代美術館(丸亀市浜町)の造形スタジオで始まった。自然から感じ取る美しさや怖さなどの感覚を、しっとりとした空気感や揺らめく光などと共に描いた作品が並び、見る人の想像を膨らませている。7日まで。


自然を題材に描いた作品と出展した馬渕さん=丸亀市浜町、市猪熊弦一郎現代美術館


 県ゆかりの若手芸術家に発表の機会を提供する丸亀市の「若手芸術家支援事業」として開催。馬渕さんは三豊市出身で、観音寺一高、大阪芸大芸術学部を卒業。大阪での高校勤務などを経て帰郷し、現在は藤井中学・高校(丸亀市)で教壇に立ち、美術教育に携わるとともに作家として活躍している。

 今回の個展は2009年から今年の新作まで21点を展示。自然をテーマにしながら、自然そのものを描くのではなく、「自然の中に入ったときに感じる、目に見えるもの以外の皮膚感覚を作品に閉じ込めた」(馬渕さん)という。緑の森や青い海などを表現した作品を前にした来場者は、自分が自然に溶け込んだような思いになっていた。

 馬渕さんは「作品は湿度を感じ取れることを大事に描いている。作品の中に身を置き、自然の持つ空気感を味わっていただければ」と話している。
 入場無料。6日14:00から、馬渕さんのアーティストトークがある。


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