植物と芸術、美の融合 収蔵品中心に60点紹介 高松市歴史資料館・28日まで
植物をモチーフにした香川ゆかりの品々を紹介する「花と植物のイマージュ―自然界からのインスピレーション」が、高松市昭和町の市歴史資料館で開かれている。身近にある花などを美しく表現したびょうぶや工芸品など約60点が並び、さまざまなジャンルの作品が来場者の興味を誘っている。28日まで。
作品を通して自然と人との関わりを感じてもらおうと企画。「生活を彩る」「季節を感じる」など5章に分け、高松市歴史資料館の収蔵品を中心に、モチーフとなった植物の写真も一緒に展示した。
3章の「福を願う」では、いにしえから吉祥のシンボルとして親しまれてきた梅や竹を描いた作品を紹介。高松市歴史資料館初公開となる高松藩出身の文人、長町竹石(ちくせき)が墨で梅を描いたびょうぶは、墨の濃淡と筆の勢いによって枝の広がりに奥行きや生命力が感じられ、早春の風情を醸し出している。
工芸品を集めた2章では、精巧な彫りで唐椿(からつばき)を立体的に表現した香川漆芸の祖・玉楮象谷(たまかじぞうこく)の香合などが目を引く。このほか、高松にあった芝居小屋で使われていたという金糸でシダレザクラの模様を縫った明治期の歌舞伎衣装や、蒔絵(まきえ)の技法でキクやキキョウをあしらった化粧箱などの豪華な意匠も見どころ。
入場料は一般200円ほか。21日は消しゴムはんこを作るワークショップを開催(有料、要予約)。問い合わせは高松市歴史資料館、電話087-861-4520。
(四国新聞・2021/03/04掲載)
高松市歴史資料館
所在地 | 香川県高松市昭和町1-2-20 |
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TEL | 087-861-4520 |