戦争がテーマの音楽と映画を通じて平和の尊さを訴える「~土笛の響きにのせて…音楽は世界を繋(つな)ぐ~コンサート&ビルマの竪琴(たてごと)」が13、14の両日、県内2会場で開かれる。終戦から75年余が過ぎて語り部が少なくなる中、若い世代に戦争の恐怖と悲惨さを伝える。


映画「ビルマの竪琴」のポスター


 イベントは2部構成。前半は県内の演奏家約30人が戦争に関連する楽曲を披露する。中国残留孤児を描いた「大地の子」や、イングランド民謡ながら日本の唱歌として戦時中も親しまれた「埴生(はにゅう)の宿」など全10曲をオカリナやバイオリン、ピアノの生演奏で届ける。

 後半は1956年公開のモノクロ映画「ビルマの竪琴」(監督・市川崑)を上映する。「ビルマの竪琴」はドイツ文学者の竹山道雄が自らの教え子を戦地に送り出した経験を基に執筆した児童小説を映画化したもの。太平洋戦争末期のビルマ(現ミャンマー)を舞台に、戦死兵を慰霊するため僧侶として現地にとどまることを決めた日本兵・水島の心情を描く。

 劇中には水島の所属部隊と英国兵が「埴生の宿」を合唱する場面もあり、音楽が国境を超えて人の心を打つさまが象徴的に描かれている。

 かがわ文化芸術祭2020参加公演。会場は13日が高松市国分寺町の高松国分寺ホール、14日がさぬき市鴨庄の市志度音楽ホール。両日とも13:00開演。入場料は一般2000円(前売り1500円)ほか。問い合わせは実行委の永峰、電話080-2991-5258。

(四国新聞・2021/03/11掲載)


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