平家物語を題材にしたオペラ「扇の的」の実行委員会が続編を制作している。新作は「青葉の笛編」と題し、源義経の奇襲で知られる一ノ谷の合戦を中心に、戦いで非業の死を遂げた笛の名手・平敦盛と妻葵の夫婦愛などを描く。21日、香川県高松市のサンポートホール高松小ホールでコンサートを開き、新作の一部などを披露する。


本番を前に練習に打ち込む出演者=高松市内


 2014年初演の前作は、那須与一ら源氏と高松・屋島に逃れた平家の女性が懸命に生きようとする姿を描いた。県内の優れた舞台芸術をたたえる「ブルーポラリス賞」に輝き、18年にはブルガリアでも上演された。実行委はその前後の物語も舞台化しようと3部構成を目指して制作しており、今公演はその取り組みを周知する意味合いもある。

 “オール県人”で行われる今回の「扇の的ゆかりのコンサート」は2部構成。第2部では青葉の笛編のワンシーンとして、出陣を前に敦盛の笛の音色に合わせて葵が優美な舞を披露する。葵役を日本舞踊の藤間三佐代、敦盛はフルート奏者・藤田哲志が演じる。作曲を担当した大阪芸大教授・田中久美子や、台本を手掛けた元琴平高校長・山本恵三らのトークもある。

 第1部は那須与一が扇を射るシーンなど前作のハイライト6曲で、出演者に林里美、若井健司、長船伸夫が名を連ねる。指揮は守山俊吾。

 2、3年後の上演を目指しており、プロデュースした若井健司・香川大教育学部教授は「生きることに前向きになれるオペラ。物語をつないで源平絵巻の魅力を伝えたい」と話している。

 サンポートホールの主催事業として開催。14:00開演。入場料は一般2千円ほか。問い合わせはサンポートホール、電話087-825-5010。

(四国新聞・2021/03/17掲載)


オペラ「扇の的」ゆかりのコンサート

オペラ「扇の的」ゆかりのコンサート


開催日 2021/03/21
所在地 高松市サンポート2-1
サンポートホール高松 小ホール
開演時間 14:00開演
入場料 一般:2,000円 25歳以下:1,000円
問い合わせ 087-825-5010


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