香川県仲多度郡まんのう町中通の「ことなみ未来館」(旧琴南中学校)などで19日、旧校舎を利用したアートイベント「山の小さな展覧会」が始まった。現代アーティストらの感性が光るユニークなオブジェや絵画などが並び、来場者を楽しませている。3月28日まで。


ツバキの花を使って時間の流れなどを表現した作品=香川県仲多度郡まんのう町中通、旧琴南中

ツバキの花を使って時間の流れなどを表現した作品=香川県仲多度郡まんのう町中通、旧琴南中


 展覧会は、2016年3月に閉校した旧琴南中を拠点に、活性化策を考える「旧琴南中学校利活用連絡会文化活動部会」(谷川博史部会長)が2017年から実施しており、今回で3回目。

 新型コロナウイルスの影響でアーティストの作品発表の場が減少する中、今回は人との関わりがあるからこそ表現活動ができるという原点に着目。精神と物質、時間を意味する「魂とヒトガタ・みらい」をテーマに、県内外のアーティスト17人が参加した。

 細川和音さん=愛知県在住=は、球根と花びら、花瓶、人体をモチーフにした彫刻を教室に置き、繰り返される生と死を表現。三豊市在住の沢井元気さん(37)一家は、娘の空未ちゃん(4)が今までに書いた絵や折り紙で作った作品、家族3人で制作した竜のオブジェなどを並べ、日常の中で生み出されるものが、未来へとつながっていくことを発信している。


家族3人で取り組んだ作品などを出品した沢井さん一家

家族3人で取り組んだ作品などを出品した沢井さん一家


 近くの古民家2軒も会場になっており、家族の肖像画などを展示して自身の人生を表したものや、ツバキの花を一面にちりばめて、生花の姿の変化から時間の流れや生命力を伝える意欲作が見られる。

 このほか、旧琴南中では、卵からふ化させた鶏やウズラを飼育している様子を作品とした展示もある。谷川部会長は「アーティストの表現方法の違いや多様性を感じてもらえれば。周りの自然も満喫してほしい」と話している。

(四国新聞・2021/03/20掲載)


「第3回山の小さな展覧会」公式サイト

山の小さな展覧会


会期 2021/03/19(金)~3/28(日)
時間 10:00~17:00
会場 ことなみ未来館(旧琴南中学校)(香川県仲多度郡まんのう町中通838)など
入場料 大人300円、小中高生100円(65才以上、小学生未満は無料)


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