高松市の男木島で築100年以上の旧郵便局舎を改築したコワーキングスペース「鍬(くわ)と本」がオープンした。新型コロナウイルスの感染拡大で、旅先で休暇を楽しみながらテレワークする「ワーケーション」が注目されており、島の歴史を感じられる古民家を活用した新しい働き方を提案する。


築100年以上の旧郵便局舎を改築したコワーキングスペース「鍬と本」=高松市、男木島


 コワーキングスペースをオープンしたのは、島内で男木島図書館の運営に携わる福井大和さんが代表を務めるIT関連企業のケノヒ(大阪市)。同社が男木港から徒歩2分ほどにある旧郵便局の建物を買い取り、改築した。

 建物は明治時代に建築され、昭和10年代~40年代に男木島郵便局として利用されていたという木造平屋。局長の自宅を兼ねた造りで、延べ床面積は約130平方メートル。うち、かつて郵便局だったスペースや自宅の一部など約65平方メートルを改築した。

 当時の郵便局の窓口カウンター、扉や窓などの建具を可能な限り残し、古民家の雰囲気を生かしている。室内はWi―Fi環境が整い、テーブルやソファなど好きな場所でパソコンが使える。

 全4部屋で20人程度が利用可能。利用料は1時間550円。ワーケーションで島を訪れる人のほか、旅行客の一時利用も想定する。

 コワーキングスペースの営業を行いながら、建物の残りのスペースの改築も進めており、今後は宿泊しながら長期利用できる施設とする計画。福井さんは「企業が泊まり込みでプロジェクトを進めるサテライトオフィスのように使ってもらいたい。移住体験できる場所としての機能も持たせたい」としている。


鍬と本

(四国新聞・2021/03/20掲載)


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