温かな木版画、日本全国描く 中津万象園で門脇俊一展
香川県丸亀市中津町の中津万象園・丸亀美術館で、「現代の浮世絵師」とも呼ばれた観音寺市出身の画家、門脇俊一さん(1913~2006年)の木版画展が開かれている。全国各地の四季の風物詩や名所などの情景を、大胆かつ繊細なタッチと色彩で捉えた作品が来場者を楽しませている。4月11日まで(水曜休館)。
少年時代から独学で絵を始め、海軍兵として渡った欧州で浮世絵の評価の高さに感動し、制作への思いを強くした。水彩画、油彩画、木版画、びょうぶ絵と、多彩な表現で風物や自然などを描き、県文化功労者に選ばれた。
今展は、カレンダーに使う作品として依頼を受け、81年から04年までに制作した木版画をメインに約50点を展示。なまはげ芝燈祭、出雲大社(島根県)の初詣、熊本城天守と桜、東京・隅田川の花火大会、おわら風の盆(富山県)、京都・嵐山の紅葉、さっぽろ雪まつりなどを題材にした作品が並ぶ。
伸びやかな画風や温かみのある色使いで心地よく彩られ、描かれた場所やそこにいる人たちの雰囲気が画面からよく伝わってくる。来場者は全国各地を旅するような感覚で、1点ずつじっくりと観賞していた。
また、中津万象園・丸亀美術館では片岡球子や奥村土牛ら9人の日本画家の作品を紹介する「富士・花・日本の美」展も同時開催している。
開館時間は9:30~17:00。観覧料は一般500円ほか。問い合わせは中津万象園・丸亀美術館、電話0877-23-6326。
(四国新聞・2021/03/022掲載)
門脇俊一 日本の四季 展
開催期間 | 1/23(土曜日)~4/11(日曜日) |
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所在地 | 中津万象園・丸亀美術館 香川県丸亀市中津町25−1 |
営業時間 | 9:30~17:00 |
定休日 | 水曜日 |
TEL | 0877-23-6326 |