現代アート作家11人による多彩な肖像作品を集めた展覧会が、高松市美術館(香川県高松市紺屋町)で開かれている。モチーフの人物が活躍した時代の様子が感じ取れる写真や版画など13点が、それぞれに主張を放っている。6月20日まで。


多彩な肖像表現が見られる常設展=高松市紺屋町、市美術館


 高松市美術館の所蔵品をテーマごとに紹介する本年度の常設展の1回目で、展覧会のタイトルは「現代の肖像」。会場では、現代美術家郭徳俊(かくとくしゅん)(京都府出身)による大型写真パネル(150×105センチ)が来場者を出迎えている。米国の歴代大統領フォード氏やオバマ氏ら8人の顔と自身の顔を一体化させたユーモラスな作品で、時代を象徴する人物と一個人を対比させている。

 版画家野田哲也(熊本県出身)の作品は幼い長女のモノクロ写真と、木版を組み合わせた「日記」を紹介。長女の服装やバッグからは、ノスタルジックな雰囲気とともに撮影当時の1970年代の流行がうかがえる。このほか、同じモチーフを繰り返す表現で知られる米ポップアートの巨匠、アンディ・ウォーホル(28~87年)が著名人の顔写真を使ったカラフルなシルクスクリーンも存在感を放っている。

 展覧会担当の牧野裕二学芸員は「肖像作品の多様な表現を楽しむと同時に、映し出されている時代に思いをはせてほしい」と話している。

 一般200円ほか。問い合わせは高松市美術館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2021/04/22掲載)


高松市美術館(公式サイト)

高松市美術館


所在地 香川県高松市紺屋町10−4
営業時間 9:30~17:00
休館日 月曜日(祝休日の場合は翌日)
TEL 087-823-1711


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