伊吹産いりこで発泡酒 観音寺の有志、300本試作 瀬戸芸向け本格販売へ
香川県観音寺市伊吹島産の釜揚げいりこを原料に使った発泡酒が完成した。観音寺市の飲食店有志が地域活性化につなげようと企画し、今回は試作品として330ミリリットル入り瓶300本限定で製造した。改良を加えて7月には約3千本を入荷する予定。来年の瀬戸内国際芸術祭に向けて本格的な販売を目指す。
釜揚げいりこは、伊吹島産のカタクチイワシを塩ゆでした後に急速冷凍したもので、観音寺の農林水産物とその加工品をブランド化して広く情報発信する「観音寺ブランド」の認証を昨年に受けている。
釜揚げいりこを使った発泡酒は、岩手県の造り酒屋「世嬉(せき)の一酒造」に醸造を依頼。いりこの量や発酵時間などを試行錯誤しながら魚の生臭さを取り除き、麦芽やホップも原料に、うま味と香り、苦みのバランスの取れた味を追求したという。アルコール度数は5%。
商品名は「IBUKI―IRIKO ALE」。ラベルは伊吹島で漁の守り神として信仰を集める恵比寿(えびす)像をモチーフにデザインし、「IBUKIEBISU」のロゴを入れた。
お披露目会は28日、観音寺市豊浜町の道の駅とよはまであり、来賓の白川市長が「『おらがまち』の名物として全国にアピールできることを願う」とあいさつ。市長と市観光協会の山下尊央副会長が試作品を除幕した。プロのバーテンダーが丁寧にグラスに注ぎ、市長や市観光協会、飲食店の関係者らが試飲した。
出席者は「最初はいりこの味がしないが、『地ビール』らしい味でおいしい」「飲みやすくて和食にも洋食にも合いそう」などと感想を話した。
試作品は早速、29日から道の駅とよはまや観音寺市内の飲食店などで、1本800円で提供している。
(四国新聞・2021/04/30掲載)