香川県多度津町で地域おこし協力隊員を務める坂川桃香さん(29)=岡山県出身=が同町沖に浮かぶ佐柳島の魅力を詰め込んだカレンダーを作製した。島の人たちから写真を募り、“猫の島”として人気を集める佐柳島らしく青空をバックにジャンプする猫を表紙にあしらったほか、島の日常や島から望む瀬戸内海など四季折々の姿をちりばめた。


作製した佐柳島カレンダーを手に笑顔を見せる坂川さん=多度津町役場


 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、「墓参りにも行けない」などともどかしさを抱える島出身者らに、「こんな時だからこそ島の風景を届けたい」と思ったのがきっかけ。同時に島への観光客が増加傾向にある中で、「純粋な島土産を何か提供できないか」と模索していたこともあり、島民撮影のオリジナルカレンダーを思い付いた。

 昨年10月から島民を訪ねて写真を集め始め、旧佐柳島小中学校で泳ぐこいのぼりを5月、秋祭りが催される10月はみこしを乗せて海を渡る「船渡御」など、カレンダーにぴったりな季節感のある写真を計14枚選んだ。1月始まりには間に合わなかったものの、4月始まりのカレンダーとして約500部作製した。

 坂川さんは昨年7月の着任後、狩猟免許を生かし、佐柳島でイノシシの獣害対策に取り組んでいる。今後は島の活性化に向けた活動も本格化させる予定で、現在は自身で除虫菊を栽培し、蚊取り線香作りのワークショップなどを模索しているという。

 他に郷土料理の茶がゆのキット化なども検討しており、「島の人たちが携われて来島者の消費につながる仕掛けを作りたい」と意気込んでいる。

 2021年度版のカレンダーは試作のため非売品だが、希望者に無償で譲っている。2022年版も作製する予定。問い合わせは町政策観光課、0877-33-1116。

(四国新聞・2021/05/07掲載)


関連情報