香川県丸亀市中津町で長年親しまれ、2018年に閉店したうどん店「寿美屋」が、「画廊 寿美屋」に生まれ変わった。こけら落としの展覧会として、22日から県内で活動する陶芸家の作品を展示販売する「讃岐のやきもの展」があり、店主の檜木博さん(72)は準備に追われている。


うどん店を画廊にリニューアルした店内で展覧会の開幕を心待ちにする檜木さん=丸亀市中津町


 檜木さんは、勤務していた同市通町のうどん店寿美屋から、のれん分けで1980年に独立、現在の場所に店を構えた。店ではさまざまなうどんの楽しみ方を提案する一方、「器にもこだわりを」と全国各地のうどん鉢などを収集、95年には店の一角にギャラリーを設けていた。


 2018年8月、大病を患ったため閉店。復調したが、今後は、これまで親交を深めてきた県内の陶芸家らを応援していこうと店全体を画廊に改装した。

 讃岐のやきもの展(県陶芸協会主催)は毎年、高松市の栗林公園で開かれ、大勢のファンでにぎわっている。檜木さんは同協会の伊藤信夫会長と友人だった縁で今回、讃岐のやきもの展が初めて丸亀市で開催されることになった。

 檜木さんは「讃岐のやきもの展を丸亀で開くのが念願だった。中西讃地域の人に楽しんでもらえれば」とアピールする。画廊を遍路休憩所や地域のサークルの活動場所などとしても活用する考えで、「うどん店はできなくなったが、別の形でのれんを守っていきたい」としている。

 やきもの展は、県内に窯を構える会員12人が計約100点を展示販売する。入館無料。開館時間は10:00~16:00。水曜休み。問い合わせは画廊 寿美屋、0877-22-4320。

(四国新聞・2021/05/21掲載)


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