オランダを代表する絵本作家、故ディック・ブルーナが生んだ「ミッフィー(うさこちゃん)」と共に現代アートの世界をひもとく「美術館に行こう! ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方」が、香川県高松市紺屋町の市美術館で開かれている。近代美術の新たな見方や、ブルーナが追求した想像力をかき立てる表現の秘密に迫ることができる。11日まで。


絵本作家、故ディック・ブルーナが描く「ミッフィー」と共に現代アートの楽しみ方を紹介する展示会((C)Mercis bv)=高松市紺屋町、市美術館


 展示は3部構成で、市美術館の所蔵作品とブルーナの作品計約190点を紹介。第1部の「見てみよう」は、1997年に出版された絵本「うさこちゃん びじゅつかんへいく」の場面に合わせ、学芸員が選んだ同館の所蔵作品を飾っている。

 うさこちゃんがカラフルなうさぎの頭部のような絵を見て、「まるではさみできりぬいたよう」と声を上げる物語中の場面を基にした一角では、「たくさんのいろ」をテーマに展示を構成。赤や青など色彩によって感じ方の違いが分かる作品や、ブルーナが影響を受けた画家アンリ・マティスの切り紙絵などが並ぶ。

 第2部の「考えてみよう」では、ペーパーバックの表紙デザインやポスターなどからブルーナの仕事ぶりがうかがえるほか、作品の制作工程をパネルなどで解説している。

 担当者は「現代アートは難しいと思われがちだが、うさこちゃんと同じように、純粋に作品を『見る』ということを楽しんでもらえたら」と話している。

 観覧料は一般千円ほか。会期末の11日まで休館日なし。問い合わせは高松市美術館、087-823-1711。

(四国新聞・2021/06/03掲載)

高松市美術館


所在地 香川県高松市紺屋町10-4
開館時間 9:30~17:00
TEL 087-823-1711


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