「あじさいの宮」として親しまれている香川県観音寺市粟井町の粟井神社で、アジサイが見頃を迎えた。記録的な早さで梅雨入りした今年は、例年より咲き始めが1週間ほど早く、約3千株の中にはほぼ満開となっているものも数多く見られる。境内や裏山の斜面を鮮やかに彩る季節の花をめでようと、家族連れや写真愛好家らが詰め掛けている。


例年より早く見頃を迎えた粟井神社のアジサイ。多くの品種、さまざまな色の花が楽しめる=観音寺市粟井町


 粟井神社では、地元住民が1985年ごろにアジサイの植栽を始め、株を増やしながら手入れを続けている。青や紫、ピンク、白などの大小さまざまな花が咲き競い、個性的な花姿のガクアジサイ、遊歩道沿いではヤマアジサイも楽しめる。手水(ちょうず)舎の鉢にはアジサイの花を浮かべていて、多くの人がカメラを向けている。

 梅雨の晴れ間が広がった6日、三豊市山本町の内田有理さん(31)と高松市太田上町の青木梨沙さん(30)の姉妹は浴衣姿で境内を散策。内田さんは「いろいろな品種の色とりどりのアジサイがあって、とてもきれい。今年は(新型コロナウイルス禍で)夏祭りに行けないし、遠出もできないので、浴衣で季節を味わいたいと思って」と一株一株じっくりと眺めながら、お気に入りの花の前で写真を撮り合っていた。

 アジサイの開花時期に合わせて例年、粟井神社で開かれる「あじさい祭り」(あじさい祭り実行委主催)は、新型コロナ感染拡大防止のため昨年に続いて中止となった。

 アジサイの見頃は今月中旬まで続くとみられ、市観光協会などは「マスク着用の上、密にならないように観賞を」と呼び掛けている。

(四国新聞・2021/06/08掲載)



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