香川県さぬき市多和の四国霊場結願寺・大窪寺の近くで、初夏を彩るアジサイが見頃を迎えている。日を追うごとに色づきを増しており、周囲の新緑と対照的な青色の花が、お遍路さんや観光客らを楽しませている。


日を追うごとに色づきを増すアジサイ=さぬき市多和


 アジサイが咲いているのは、大窪寺から徒歩10分ほどの山の斜面。近くでは毎年春、シダレザクラが咲き誇っている。

 門前で飲食店を営む井川義雄さん(70)の亡き父が約40年前に山の斜面を切り開いてアジサイ約千株を植栽したのがきっかけ。以降も少しずつ株数は増え、今では約1ヘクタールに1500株が群生している。

 今年は例年並みの1日ごろから少しずつ色づき始め、ここ数日で日当たりの良い斜面上部が一気に見頃になった。井川さんは「斜面上部以外の場所も今後どんどん色づいていく。爽やかな周りの新緑と一緒に自然を謳歌(おうか)してもらえたら」と話している。

 ゆっくりと歩を進めながらアジサイを満喫していたさぬき市の30代女性は「青色がとてもきれい。天気も良く気持ちいい」と笑顔を見せていた。

 井川さんによると、現在はほぼ青色だけだが、これからはピンク色や赤色のアジサイも楽しめるという。見頃は今月末までの見込み。

(四国新聞・2021/06/10掲載)


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