新ボスになりました 土庄・お猿の国 3年8カ月ぶり B群、先代行方不明で
野生のニホンザルを餌付けしている香川県土庄町肥土山の銚子渓自然動物園「お猿の国」で、二つある群れのうち約200匹を束ねるB群のボス「トラ」が交代した。3年8カ月にわたってトップに君臨していた前ボスが行方不明となり、ナンバー2だった「サブ」がボスに昇格して12代目トラを“襲名”した。
園では代々、B群のボスをトラ、ナンバー2をサブと名付けている。
前ボスは推定18歳(人間なら50代半ば)で、2017年10月からB群を率いていた。10日夕に餌を与えられて山中のねぐらに入ったきり、姿を見せなくなった。飼育員の西尾昭弘さん(66)は「里に下りてイノシシなどを捕獲するわなに掛かったのか、崖から落ちたのか。それとも交通事故にでも遭ったのか」と推測している。
サブが“下克上”を果たしたとの見立ては、それまでの関係性からあり得ないという。また、群れの外の雄ザルに襲われた可能性について、園のサルを継続して調査している日本学術振興会の石塚真太郎特別研究員(29)は「気性が荒くなる交尾期(秋)でないので考えにくい」と話す。
12代目トラは推定20歳(人間なら60歳)で、先代よりは勝ち気な性格だが、普段はのんびりしているという。重度の花粉症のサルとして話題になったこともある。
西尾さんは「体格的には貫禄があるが、いつもぼーっとしている。早くボスとして自覚を持ち、しっかり群れを統率してほしい」とエールを送る。
約300匹がいるA群は、22代目ボス「団十郎」が16年1月からまとめている。園は新型コロナウイルスの影響で7月16日まで臨時休園(3、4、10、11日は営業)。
(四国新聞・2021/06/22掲載)
銚子渓自然動物園「お猿の国」
所在地 | 香川県小豆郡土庄町肥土山字蛙子3387-10 |
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営業時間 | 8:00~17:00(最終入園は16:30まで) |
入園料 | 大人450円、小人250円 |
定休日 | 新型コロナウイルスの影響で7月16日まで臨時休園(7月3、4、10、11日は営業) |
TEL | 0879-62-0768 |