江戸時代の藍染め衣装や、細かな藍染めを施した浴衣などが並ぶ特別展「ゆかたと藍の世界」が高松市紺屋町の高松市美術館で開かれている。ファッションから現代アートとしての作品まで多彩な展示品を通じ、日本で親しまれてきた浴衣と藍染めの歴史をたどることができる。8月29日まで。


藍染めと浴衣の歴史をたどる特別展=高松市紺屋町、高松市美術館


 特別展は全5章で展開され、藍染めの浴衣や法被、洋服など約100点を紹介。中には、重要無形文化財保持者(人間国宝)に指定された清水幸太郎(1897~1988年)が藍で染めた浴衣などもあり、伝統的な技術が作り出す繊細で美しい模様が目を引いている。

 第1章「藍とゆかた」では、「絞り染」と「型染」と呼ばれる藍染めの技法についてパネルで解説するとともに、江戸時代に作られた貴重な浴衣がずらりと飾られている。

 また、藍を着る物としてだけでなく現代アートにも取り入れる染色家・福本潮子の作品を展示した第5章「藍と現代美術」では、約10メートル四方のスペースに家具デザイナーのジョージ・ナカシマのデザインに福本が布地を手掛けた長いすなどが並ぶ。作品は実際に福本が来館して設置したそうで、福本の創作の全貌を体感できる。

 高松市美術館では、8月8~15日を「ゆかたウィーク」と銘打ち、浴衣で来館すると観覧料が半額になるイベントを実施。担当者は「今年はお祭りも少なく、せっかくの機会なのでぜひ浴衣を着て来館してほしい。暑い夏に藍色の浴衣の涼しげな雰囲気を感じてもらえたら」としている。

 一般1000円ほか。問い合わせは同館、電話087-823-1711。

(四国新聞・2021/07/29掲載)

高松市美術館


所在地 香川県高松市紺屋町10-4
開館時間 【2021年8月10日~8月31日、臨時休館のため開催中止】9:30~17:00
TEL 087-823-1711


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