四国水族館(香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁)で、飼育スタッフによる手書きの解説板が注目を集めている。解説板は各水槽近くに設置され、生き物への愛情あふれるスケッチと共に特徴や見どころなどを紹介。来館者から「絵がとてもリアルで、かわいい。意外な生態も知れた」と好評だ。


「実物を見る時の手助けになれば」と話す加藤さん

「実物を見る時の手助けになれば」と話す加藤さん


 解説板は新型コロナウイルス感染予防で来館者と直接話す機会が少ない中、水槽の中の生き物への関心をより高めてもらうおうと企画。昨年10月から随時、解説板の追加や内容の更新をして約40カ所に置いている。

 飼育員の加藤千賀さん(24)は担当するケープペンギンについて、古い羽毛が抜けて新しくなる「換羽」が年に1度あり、その時期は「もふもふ」とした状態であることを説明。目の周りはピンク色で、胸に1本のラインが入っていることなど、見逃しそうな特徴を温かなタッチで伝えており、「実物を見る時の助けになれば」との思いを込めたという。

 海水魚を担当する小橋加奈さん(27)は、ウニに寄生するゼブラガニや、ヒトデを捕食するフリソデエビなど、サンゴの海に生息する生物の関係性をカラフルに紹介。物陰に隠れたがるクマノミなどを来館者が見られるように水槽内の水流を調整するなどの工夫をしているとし、「私自身、毎日が発見の連続で楽しい。解説板で親近感を抱き、たくさんの種類をじっくりと見てもらえればうれしい」と話した。

(四国新聞・2021/08/25掲載)


四国水族館

四国水族館


所在地 香川県綾歌郡宇多津町浜一番丁4
営業時間 9:00~21:00(7/22~8/29)
定休日 年中無休
TEL 0877-49-4590


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